■いつの間に
訓練空域を離脱、帰りは進入管制官(出発管制官と同じ)に空域進入の許可をもらい、教官の指示通り空港に向かいます。
空港に近づき、再度「タワー」と交信。着陸滑走路と並行に反対側へ飛び、スロットルを絞りつつ徐々に高度を下げます。そして「着陸よし Cleared to land.」の指示が出て、下げ翼を出し、しばらくしてから滑走路と直角をなすように左旋回。下降を続け、左旋回して滑走路と正対します。この長方形が、場周経路 traffic pattern です。このまま高度を下げて、間もなく接地。そろそろ教官に交代を…でも教官は何も言わず、ただ「はい、スロットルをいっぱいに絞って、そう、少しづつ操縦桿を引いて、引いて、そう、そのまま…」ガクン。
「着陸しちゃったねぇ!」って、初日でしょうが…いや、でも、やっぱり自分で降りられたというのはうれしいもの。さんざんシミュレーターで「感覚がない…」と言っていたのが、実機では如実に衝撃が伝わってくるわけです。「キュッ」とか「トン」とかいうものから「ガシーン」「ドーン」というものまで、着陸の衝撃も千差万別ですが(前者が望ましいのは言うまでもありません)、何よりとりあえず無事に降りられないことには燃料が尽きるまで止まれないので、この着陸には大変な達成感がありました。
■1:30
駐機、エンジンを止め、必要な書類を記入して事務所へ帰り、簡単な説明を受けます。そして、ログブックに今日の飛行を記録します。このログブックこそが自分の成長の証、ライセンスと同様、パイロットの命ともいえる書類です。ここに今日の飛行時間を記入します。
「1:30」。科目「基本4技能。着陸1回」。今日ようやく、自分の手で飛行機を飛ばすことができました。本当に小さな1歩ですが、頭上を飛び去るあの旅客機のパイロットも、爆音を轟かせて空に消えていくあの戦闘機のパイロットも、すべてここから始まったのかと思い、ある種の感慨を覚えずにはいられませんでした。
明日はどんな科目が待ち構えているのかと思うと不安もありましたが、誰もが通った道と思い、決意も新たに初飛行を終えました。
