RUNWAY24は・・・パイロットへの滑走路、この空を飛びたいという夢に向かって・・・Take-off してみませんか

Flying Lady

Flying Lady 奮戦記を掲載します

出発準備中でしたが、ほやほやのプライベートパイロットから楽しい投稿を頂きました。
何回かに分けて掲載します・・・お楽しみに・・・

空子さん、プライベートパイロット、おめでとうございます
1月の末にチェックライドを無事にクリアーして、みごとにプライベートパイロットの資格を取得されました。
その努力と忍耐に心から敬意を表します。
これからもお互い初心を忘れることなく空の安全に留意しましょう。

乞う・・・ご期待・・・

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Flying Lady 奮戦記 - 旅立ち

へなちょこパイロット訓練記

・・・とある空港の仕事場で今日もジェット機を見て過ごす毎日です。
私は航空会社で運航管理の仕事をしています。パイロットがフライト前に立ち寄り飛行計画や天気状況をチェックし、今日のフライトの飛行高度や燃料量を決定する、その打ち合わせに必要なデータを準備して天気の解析をし、パイロットにブリーフィングを行います。
そんな仕事を10年以上やってきた私はもともと飛行機好きで、入社数年後パイロットスクールに行くことを考えた時期もありましたが、お金も休みも充分ではなく、いつの間にかその夢には蓋がされたままになっていました。
仕事上外国航空会社のパイロットに会う機会もあり、女性のパイロットも今では珍しくはないということを知りました。
また、ある時期から日本の航空会社でも女性パイロットを採用し始め、我社でも時々見かけるようになりました。
「自分も飛んでみたい。もしかして自分にもできるかな?」大胆にもそう思い始め真剣に学校探しを始めました。

1046167714[1]一体どこの学校に行けばいいのか?いろいろ悩みました。
そんな時「Runway24」というウェブサイトを見つけました。
幸い私はホノルルに長期出張をしたことがあり、土地に慣れていたのと友達もいるということでこの地での訓練を選びました。
ホノルルのパイロットの知人にも相談したところ・・・
ランウェイさんが行っていた「Flight School Hawaii」を薦めて
くれたので安心してそこに決め・・・
渡航前にランウェイさんからいろいろとアドバイスを受けました。
訓練の様子やカリキュラムなど、何もかもが知らない事だらけの中
事前の情報は不安を取り除く上でも大変役に立ちました。私が今回投稿させて頂いたのは・・・以前の私と同じ
「空を飛んでみたいけど不安だな」・・・と足踏みしている方に、私の「へなちょこ」ぶりを見て少しでも安心して頂きたいと思ったからです。
また実際の訓練の様子がどんなものかというのも分かってもらえたらいいな、と思います。

Flying Lady 奮戦記 - じゃじゃ馬

<いきなり飛ぶ>

1046498092[1]ハワイに着いてその足でスクールに行った。
インストラクターはスタ-バックス(?)という麦わら帽子をかぶったおじさんだった。スクールでも一番ベテランの人でランウェイさんの担当教官でもあった人だ。あいさつもそこそこに「じゃ、行こう」といきなり言われ飛行機へ。始めて間近でみるセスナ。私の乗る飛行機はセスナ172という型式で4人乗りのものである。
私が毎日仕事で接している飛行機はジャンボとかボーイング767とかである。当たり前だけど率直な感想は「小さいよぉー!」というものであった。スタ-バックスが飛行前チェックをしながら
「どこをチェックして、なぜそうしなければしけないのか」を私に説明してくれる。
あの~~・・・今日は初日だからただの見学じゃないんですかぁ?・・・と思っていた私はいきなり面食らった。

そして飛行機に乗り込みエンジン始動。もういきなり滑走路まで私が操縦するらしい…
「向きたい方向の足を踏み込めば曲がるから」って言われてもついつい操縦桿を回してしまう。
「ギャーッ、アーッ」私の絶叫と共にふ~らふ~らしながらようやく滑走路の端に到着。

「速度計の針が55ノットになったら操縦桿を引いてね。じゃ、行こうか」えっ?もう?
心の準備が…と思っているうちにその速度に達しゆっくり操縦桿を引く。
浮いた!私、飛んでる!飛んでるよぉー!スタ-バックスの顔を見て「I’m flying !」
彼は「Yes, you are.」と言ってクールな顔をしている・・・
でも、私にとってこれが記念すべきセスナでの初飛行である。これまで離陸は何度となく経験したがこの感動は忘れない。それから練習空域に行って水平飛行、旋回、上昇、下降など基本的な操縦方法を簡単に教えてもらい自分でもやってみた。飛行機はまるでじゃじゃ馬のようで全然言うことを聞いてくれない。
まぁ、初めてだからしょうがない。そしてホノルル空港へ戻り進入、着陸態勢に入るが・・・
ここに来ても操縦を替わる様子がない。横から操縦桿を引けだの、押せだの言われているうちに着陸してしまった…
初めてだから見学だけ、とか、様子を見ましょう、とかいうのはないんだ…。

そして事務所に帰ってセスナのトレーニングキットを購入。これについているCD-ROMを見て自習して来なさいと言われる。いきなりそんなこと言われても…しょうがなくホテルに帰って自分のラップトップパソコンで勉強。
時差ボケもあり意識が朦朧としてくる。
やはり渡航前に事前学習はするべきだったと反省。当然だけど教材は全部英語。
特に本を読むのは慣れてないし、とても時間が掛かる。
そういう意味でCD-ROMは目と耳から情報が入ってくるので理解がしやすい。

Flying Lady 奮戦記 - スタバとマック

<いよいよ訓練開始>

次の日スタ-バックスは休みだったのでもう一人の担当インストラクター、マックドナルド(?)が
一緒に飛ぶことになっていた。彼は見た目も性格も「まるい」感じで、話し方もゆっくりでわかりやすい。
実は、昨日スタ-バックスが話していたことが私にはよく分かっていなかった。ものすごく早口だったからだ。
マックドナルドはおしゃべり好きで話し始めるとなかなか止まらない。陽気でスクールの中でも人気のインストラクターである。教える時は子供に話すようにゆっくりとかみ砕いて説明してくれて、上手くできるとこちらが恥ずかしくなるくらい褒めてくれる。

マックドナルドとの初訓練は基本的な操縦技術の練習から始まった。離陸から、上昇、下降、旋回
また「トリム」(詳しくはランウェイさんのページを参照)のとり方を習ったがどっちに回して良いかよく分からず結局使わないままに飛んでいた。
従って常に操縦桿を引っ張るか押しているかの状態で、「飛行機の操縦ってこんなに力がいるものなんだ。
腕立て伏せでもしなくちゃね」とこの時は真面目に思っていた(苦笑)・・・

1046247986[1]マックドナルドとの4回のフライトでは、視界を遮るフード、もしくは上半分が曇りガラスになったゴーグルを被り「模擬計器飛行」も訓練した。
もし思いがけず雲の中に入ってしまったときに計器だけを頼って飛行できる技術を習得するためだ。

私は、なぜか外を見ながら飛ぶよりもこちらの方が上手で、マックドナルドが「外を見ない方が上手く飛べるじゃないか!」と言って笑っていた。また、低速度で飛ぶ技術「スローフライト」も練習した。ゆっくり飛ぶことがあんなに難しいとは思ってもみなかった。
何もしなければどんどん高度が落ちていくし、失速警報がピーピー鳴り出す。一度にいろんな計器をスキャンして忙しい、忙しい。それでも操縦の訓練だけしているのならまだいいがこのころから無線の交信もし始める。ハッキリ言って最初は全然聞き取れない。定型パターンなので慣れれば問題は少なくなるが・・・

最初は「ハァ??ナンデスカ??」という感じで、恥ずかしながら「全く」分からなかった。管制官から何か言われる度にインストラクターの方を向いて彼の答を待つ。そしてそれをそのまま答えるというのがしばらく続く。そのうち、定型パターンの会話は出来るようになってくるが、定型外の思いがけない問いかけにはまだ反応できなくて「シーン」としてしまう。取りあえず分からない場合は「Say Again」と言うようにしているけれど、なにしろホノルルはクラスBという一番忙しい空域。管制官の機関銃トークの中「Say Again」を言うのは会話の流れを阻害するようで申し訳ない。でも、分からないんだからしょうがない。安全の為、安全の為と自分に言い聞かせて。

毎日パイロットと接していながら実のところ彼らの仕事の大変さが分かってないことが自分が飛んでみて初めて分かる。飛ぶ技術に加え、計器のスキャン、管制官との交信、次に何をするかを常に先読みし無線機の周波数のセットなどを行うなど、それはもう忙しいのだ。これに加えエアラインパイロットには社用無線もある。いろんな事を同時にやることの大変さを思い知る。

Flying Lady 奮戦記 - え!ひも・・・?

<再びスタバ>

1046408581[1]スタ-バックスの休みが終わり彼と飛ぶ日が来た。スタ-バックスは軍のパイロットをしていたので今でもすごい体をしている。もうおじいさんと呼んでも良いぐらいの(失礼)年齢なのだが肩なんかレスラーのように大きいし、教え方も厳しい。今日も早口だがなんとか聞き取ろうと必死で食らいついていく。緊張している私をなんとかリラックスさせようとジョークを言って和ませてくれるが、手をスロットルからいつも離してしまう癖を見つけると「Hand on the throttle !」と言って右手をピシャッを叩かれた。それでも離してしまうので、ついに私の手をスロットルに置いてその上から自分の手で押さえ固定されてしまった…。「もう、これで離せないだろう」と言ってニヤッと笑った。しかし、また次回のフライトで手を離しているのを見つけ、どこから持って来たのか紐でスロットルに縛り付けられそうになった。

最初は水平飛行をするのさえとても難しく・・・
・・・気が付くと高度が外れていて・・・
「No climb ! No Descent ! Wings level ! Nose to the horizon !」 と何百回言われただろう…。
実際夢の中でスタ-バックスが叫んでいるのを見てしまうほど頭の中を
いつもこの言葉がグルグル回っていた。
この後しばらく地上の目標物を基準に飛ぶ訓練を行う。
S-turn、Turns around the pointと言ってS字を描くように飛んだり地上の例えば貯水タンクを中心に周回したりする。
なかなかこれも上手くいかない。風があるので車で回るときのようにはいかない。
流されないように機体を傾けてやらなければいけないがそれに気を取られると高度を失う。
自分の中の集中力が一気に高まる気がする。

Flying Lady 奮戦記 - きりもみ

<失速>

1046346732[1]とうとう、失速を体験する日が来た。
「失速」という言葉がまず怖い・・・それに航空事故の原因に失速ってよく見かけるぞ。
スタ-バックスが「今日は失速とそこからの回復を訓練する」と告げる。
「怖いよぉ」と言うと、「フン、意気地なしめ!」と一蹴。
まずは、なぜ失速が起きるのか、どうして危ないのか、どんなときに起きやすいのか起きたらどうすれば良いのかを地上で勉強。
フムフム・・・それでは、いざフライトへ・・・速度を落とし機首を上げていく。私には操縦桿がとても重い。
それでも引っ張っていくと安定性がなくなり、失速警報がピーーッと鳴りだしその後ガクンと機首が落ちる
これが「失速」・・・回復はラダーで姿勢を保ちながら機首を下げ速度を回復する。
書いているだけなら簡単だけどこれを習得するのが私には大変時間がかかった。

・・・まず、恐怖感の克服。失速時の何とも言えない機体の不安定さが怖かった。
失速時にはプロペラの効果で左側に機体が傾く性質があるが、これを回復するのに車であればハンドルを右に回す・・・しかし飛行機でそれをやると失速状態のまま地上に回転しながら落ちていく「きりもみ」に入ってしまう。
だから足を使ってラダーで調整しなくてはいけないのだが、実は、最初の失速の訓練で私は案の定操縦桿を回してしまい、きりもみに入りかけた。
スタ-バックスがすぐに取って代わって事なきを得たが、その後も恐怖感が消えず失速訓練は気の重い課目となった。しかし、失速は離陸後や進入中など低高度の時に起こりやすく、そういう場合は回復するための高度の余裕が少ないため、もしもの時の素早い回復技術が重要となる。
・・・だから決して避けて通れない大切な訓練だ。

Flying Lady 奮戦記 - 飛んだら・・・降りる

<下手な着陸>

1046484121[1]この頃から少しずつタッチアンドゴーの練習もする
隣のカラエロア空港に行って着陸、離陸を繰り返す。
また場周経路を回る訓練も併せて行う。
・・・勿論最初は着陸はうまくいかない。
「飛行機壊れたんじゃないかな?」というくらいドシーン
ガチャーンと「落ちる」。
インストラクターも平気な顔してよく隣に乗っていられるなぁ・・・
と感心する。何回やっても上手くいかなくて自分にイライラするときもあった。
トリムをうまくとれないせいもあったが全体的に飛行機が私には重くていわゆる「乗られている」状態であった。
「You don’t fly the airplane. Airplane flies you.」とよく言われた・・・「なんたる侮辱、訴えてやる!」。

また、接地間際には「フレア」といって機首を少し上げ気味でそれを保持しておくがその間右手は急なパワーの必要性に備えスロットルに置いておかねばならない。
今、使用しているC172では左手だけで操縦桿を支えることが私には難しかった。それを見たスタ-バックスが「次からは飛行機を少し小さいC152に変えてみよう。」と提案した。
私はせっかく慣れてきた飛行機を変えるのに少し抵抗があったが、スタ-バックスの提案が的を得たものであったことがすぐ判明した。次の訓練で着陸は格段にスムーズになった。小さいのでよく揺れるが操舵力は少なくて済むし、スピードもC172よりゆっくりな為、判断するための時間が十分にとれる。

私は現役エアラインパイロットが数人で住んでいる家に下宿させてもらっていたのだが
帰る度に「今日はどうだった?」と聞かれ、その度に「ランディングが全然上手くできない。私もみんなみたいにスムーズに着地したい!」と言って落ち込んでいるので
あるパイロットが「遠くを見てごらん。きっと近くを見ているからフレアのタイミングがわからないんだよ。
・・・遠くをなんとなく見ててごらん。
僕らの飛行時間が何時間あるか知ってる?僕は5千時間、彼は1万時間。君は?30時間?僕らだって30時間の頃はそんな着陸だったよ」そう励まされずいぶん気が楽になったし、事実遠くを見るようになってからフレアのタイミングも分かるようになってきた。

Flying Lady 奮戦記 - 一人で・・・飛んだ日

<初ソロ>

1046525521[1]そろそろ、一人で飛ぶ日が近くなってきた。周りからも「そろそろじゃない?」と言われる。でも、仕事の合間を縫って休みを取りながら来ている私は一回の滞在期間も限られている。今回も滞在が残り一日となった。

ソロに必要な知識や技術のチェックがあった後スタ-バックスが
「明日自分はカラエロアで飛行機を降りるから」と言って帰って行った。
それって明日ソロですよ、って意味?と思いつつ翌日のフライトへ…
まず何回かカラエロアでタッチアンドゴーをした後、スタ-バックスが「次はフルストップして。降りるから。」
・・・と言った。ついに来たっ!と思いながら駐機場へ・・・
「2回タッチアンドゴーをして、3回目に迎えに来て」と言ってスタ-バックスが飛行機から降りて一人で滑走路へ向かう。もう一人で飛べるという自分なりの手応えはあるけれど、隣に誰もいない不安、緊張。滑走路に向かいながら半泣き状態になっている自分に気付く。
「落ち着け、落ち着け。大丈夫!出来るって。」自分に言い聞かせて、いよいよ離陸。
「一人で飛んでるよぉー!」思わずガッツポーズ・・・

しかし!私の前に飛行機が入って来て、いきなりタワーから「Extend upwind」・・・などと、いつもと少し違うことを言われ動揺。もう頭の中が真っ白になる。そのうち前の飛行機との間隔が少なくなり・・・
「Make right 270」と指示される・・・「何?なになに?」そういえば前に一回そう言われた時には右回りにクルリと旋回したっけ。「なんで初ソロの今日に限っていろいろ言われるんだよぉ」と思いつつとにかくその場で一周するが、その間も高度はメチャクチャ。やっとの思いで着陸・・・続いて離陸・・・
しかし、動揺していた私はフラップを下ろしたまま離陸しようとしていることに気付き滑走中にフラップを全部上げた。すると飛行機はなぜか左端へ向かって走り出した。
「ヤバイ、修正しなきゃ」と思ってやったことは…操縦桿を右へ必死に回し…「あれっ?止まらない。そうだ!ラダーだよぉー」地上滑走中はラダーで方向調整をするのさえ忘れていた。フラフラしながら離陸し「次こそは!」と意気込んで行ったものの今度は高度が低くなり速度も遅くなって途中で失速警報がピーピー鳴る始末。
でもそんな時、一人のはずなのにまるで隣でスタ-バックスが・・・「Airspeed!」とか「Altitude!」とか、いつものように言ってくれているような気がした。

最後のランディングも決して上手くはいかなかったが、駐機場にスタ-バックスを迎えに行くと「おめでとう」と言って握手してくれた。スクールに帰るとみんなが「おめでとう」と言ってくれて、恒例のTシャツカットの儀式があった。
どんなベテランパイロットもファーストソロのことは一生忘れないという。
確かに一人で飛ぶ不安と、終えたときの達成感は今までに体験したことのない素晴らしいものであった。

Flying Lady 奮戦記 - Short Approach

<クラスBソロ>

1046537213[1]次の渡米はまずクラスBソロをやることから始まった。
ホノルル空港はクラスBという大きくて交通量も多く忙しい空港の為、ここからのソロ離着陸にはインストラクターの承認が必要になる。ついにその日がやってきて・・・
ホノルル空港から一人で飛び立つことになった。管制官の機関銃トークもあるしカラエロアでのソロより緊張する。
一人で飛行機の所まで行きプリフライトチェック。これまでは一人で飛行機に向かう生徒を見かけては
「すごーい、一人で出ていけるんだ」・・・なんて思っていたが、今日は自分もその一人。
なんかちょっと成長した気分。

だが、最初の試練はすぐにやってきた。駐機場にいる飛行機を広いところまで引っ張って行かなければならない。これまでインストラクターと2人で一緒にやっていたため何の問題もなかったが今日は一人。しかも、今日に限って周りを見渡しても誰もいない。とりあえずTow bar(飛行機を引っ張るための棒)を装着し引っ張ってみる。
運悪く少しスロープのあるところに停めてあったためビクともしない。でも、こうなったらやるしかない。力の限り引っ張ってみる。少しずつ動きだしなんとかエンジンをかけられる場所まで持ってきた。でも息は切れ切れ、汗だくだく。
この時点で既にソロの厳しさをかみしめる。ソロではとりあえず何をしてきてもいい、と言われていたので練習空域に行って少し練習したあと、カラエロアに行きタッチアンドゴーをした。
行く先々で「Student solo」と前置きをし「早口で言ってもわかんないからね。Studentなんだからね。」
という雰囲気を漂わせ開き直る。帰って来るとき「Short approach」を指示され初Forward slipを実行。
おー、かっこいいじゃん、と自己満足。

クロスカントリーをする前に筆記試験を受けておくように・・・と言われていたのでこの準備もぼちぼちやらなければいけない。
なぜこの時期に受けた方が良いかというと、ソロでクロスカントリーに出ればいろんな事態が想定される。
その時にきちんと自分で判断して対処出来るようにということであった。
飛行機を操縦できることは基本であるが、知識を得ることは自分の中に引き出しをたくさん作ることに似ている。
常に引き出しを全て開けておく必要はないが、いざというときにそこを開けて必要な物を出すことができる、そしてその引き出しをたくさん持っておくということは大切な事だと思う。

Flying Lady 奮戦記 - 迷っちゃったよぉー !

<初クロスカントリー>

1046581645[1]次はホノルルを離れ別の島に行くための訓練が始まる。VORという電波施設を使用して自分の位置を特定する技術や、空域を通過する為の交信などを練習したあとインストラクターと一緒にクロスカントリーに出掛ける。
初めて見る他の島で空港がどこにあるか、飛行中どういう交信をしなければならないか、針路を維持しながら位置通報をする手順、他機との衝突回避など、気にしていなければならないことがたくさんある。

インストラクターと2回クロスカントリーに出た後、ついに一人で飛ぶ日が来た。モロカイ島からラナイ島を経て帰ってくるフライトプランを作成しスタ-バックスにチェックしてもらう。
「必ずヘディングを維持するんだぞ。何があってもヘディングさえ維持していれば目的地に着くから」
・・・と念を押され出発。ソロは初めてではないとはいえ、オアフ島の外に出るのはこれが最初。かなりの緊張だった。

そして離陸した途端頭は真っ白に…。あんなにヘディングを維持しろと言われたのに、そんなことは頭の片隅に追いやられてしまったようで・・・というのも・・・
オアフ島とモロカイ島の間には少しだけ海しか見えない区間があって、そこを飛んでるときになぜかとてつもない不安が襲ってきて、しかもヘディングが間違っているような気さえしてきて、とりあえず見えてきた陸地を目指して飛行。

確かにそこはモロカイ島だったけれども、当初の通報ポイント「Ilio point」から西側の「Laau point」だった。
なんか様子がおかしいな。この前とちょっと景色が違うような気がする。
・・・かといってどこにいるのかもハッキリしない。

え~ん、迷っちゃったよぉーー! 心臓はバクバクしてる・・・
どうしていいか分からない。とりあえず「Abeam Ilio point」とモロカイタワーに通報したところ「シーン」。
たぶんレーダーを見てそんなところに飛行機はいないのを不審に思ったのだろう。しばらくして「Ident」と言われトランスポンダーをIdentすると、「You are not abeam Ilio Point」と言われた。「あ、やっぱり…。」・・・ で、私は今どこ・・・?
「Your position is 4 miles west of Molokai VOR. Do you see where the airport is ? 」「No…I’m sorry but this is my first solo…」「O.K. proceed direct to Molokai VOR then give you radar vector 」とかなんとか言われたと思う。

幸いモロカイのVORを合わせてあったのでそれに向かって飛んでいった。すると目の前に空港が… この上なくうれしかった。帰ってからその話をしたら、スクールのみんなが「島でどうやって迷うの??」確かに…
スタ-バックスは「どうしてあんなに念を押したのにヘディングを維持しなかったの?お前のニックネームは今日から”Ilio”だ!」と言って私をからかった。
「でも問題を告白してちゃんと解決出来たんだから良いパイロットだ」と一方でマックドナルドが励ましてくれた。

Flying Lady 奮戦記 - ハヤクー・・・!

<気を取り直して2回目>

1046587206[1]初ソロクロスカントリーですっかり自信をなくし
再びインストラクターと同乗しクロスカントリーの復習に出掛けた。
ここでは何事もなく終わり、2回目のソロクロスカントリーへ。

マウイ島からラナイ島への飛行だったが今回はヘディングもバッチリキープし「よしよし」と安心していたら、なんと無線機が不調だということに気が付いた。
管制官が何度もこちらを呼ぶけれどこちらの声が聞こえない様子。「どうしよう…」いろんなつまみを回してみたり調べて見たが結局ダメ。そんな時ヘッドセットのプラグを別側に変えたら良くなった。接触が悪かったのだろう。
その間約15分、カラウパパという空港の上をトランジションしなきゃいけないわ、周りに飛行機が結構いるわで、もう頭の中がお祭り状態に…。
しかも、15分間管制官との通信を絶ったということで「どうしたんですか?何回も呼んだけど応答がなかったんですが。」と言われ事情を説明。
こんなときはトランスポンダーを7600にして最寄りの空港に降りた方が良かったのかなぁ、というのは帰って落ち着いてから思ったことだ。あのお祭り状態でそんなことを考える余裕はなかった。
しかも帰りのルートは悪天情報でタービュランスが予報されているとおりすごい揺れが続き、機内の全ての物が一瞬浮き上がる程。手に汗が…なんでソロに出るとこんな目に遭うんだ、と泣きそうになる。

その後は揺れもおさまったがホノルルの空域に入ってからがまた大変。いつ何を言われるか、恐怖におののく。今回も360度ターンを指示されたがこれはクリア。そしてタワーへ。「&%)”#$’)!?<*」何か言ってるけど分からない!もう一回聞いたけどやっぱり分からない。もう向こうは諦めた様子。ほんとにごめんなさい。でも私も精一杯なんですっ!そして着陸後「Expedite taxi」と言われたが聞き取れず、「Say again」と言うと「Expedite! ハヤクー!」と日本語で返事が返ってきた。
これには苦笑。いかに日本人が交信で聞き取れないかを物語っている。

Flying Lady 奮戦記  - もっと明かりを・・・!

<更にソロで飛ぶ>

これからチェックライドに進むためには、ソロで飛ぶ時間を稼がなければならない。飛ぶ度に人様にご迷惑を掛けるのは承知の上で、恒例の「Student Solo」を前置きしてクロスカントリーに出掛ける。
オアフ島の中で飛んでる限りは結構忙しいので別のことを考える余裕はないが、クロスカントリーに出ると巡航中はヒマを持て余し気味になる。景色を楽しむ事も出来るが、一人でブーーーンというエンジンの音だけを聞いていると寂しくなってくるので、ある日歌でも歌おうと考えた。
しかし、なぜか出てきた歌は・・・「小さい秋みつけた」・・・よけい寂しくなってくる。

ある日、ラナイ島に向かっていた時のこと。ここにはタワーがないので各飛行機は自分の位置、意図をセルフアナウンスしながら飛ぶ事になっている。いつもは自分だけしかいなかったのに、その日に限ってほぼ同時に私を含め3機が進入しようとしていた。
そこでふと思った。「どういう順で降りたらいいの?」そういえばRight of wayという決まりがあったっけ。ちゃんと勉強しておけば良かった。この場合たぶん一番はジェット機。もうファイナルに近いし。
・・・ではもう一機と私はどちらが先?あっちは私の右側から同高度で来ているからたぶんあっちが先・・・かな。
でも一応確認しておこう。とりあえず「私はこの場所で旋回するのでお先にどうぞ」と言ってみた。あっちは「ありがとう」と言って進んでいった。ホッ・・・!! なんとかなるもんだ。こうして、経験を積んでいきチェックライドに備える。
あと残っているのは夜間飛行だけになった。

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<夜間飛行>
訓練要件に夜間のタッチアンドゴーとクロスカントリーがあるので、それを満たすべくインストラクター同乗で初夜間飛行に出掛ける。夜間飛行と言えばロマンティックな響きだが、実際は暗くて何をするにも不便。
目を暗さに慣らす為になるべく明るい照明を使用しないようにする。機内でペンを落とそうものなら探すのが大変だ。タクシングを始めても前方が暗くてよく見えない。「誰かー、電気つけてよー」と言いたくなる。

離陸してからも昼間とは全然違う。灯りがついているところは街で、真っ暗なところは原野か山になる。普段慣れている場所であればそこに山があることを知っているが、そうでない場合は誤って山に激突してしまうのも分かる気がする。
空港も昼間であれば見つけ易いが、夜間は滑走路灯火が街の灯りに紛れて非常に見つけにくい。クロスカントリーも海上を飛ぶ間は全くの暗闇同然。
計器に頼らなければ自分の姿勢を維持できなくなる空間識失調に陥るのも無理はないと思った。しかも、ホノルルも冬には雲が多く雲底が低くなる日が多い。
思いがけず雲の中に入ってしまった時、自分の命を守る為にも計器飛行の技術、知識も蓄えておかなければと感じた訓練であった。

Flying Lady 奮戦記  - 最後の踏ん張り

<チェックライドの準備>

1046751014[1]全ての飛行要件が揃うと、あとはチェックライドの準備をするだけである。
試験は口答試問と実地試験の2本立てになっている。
口頭試問用の想定問題を見てそれに対する答を一人でつぶやきながら練習。端からみると実に奇異に映ることだろう。
インストラクターを試験官に見立て練習することも出来る。

日本語でも説明するのが容易でないことを英語で答えなければいけないなんて考えただけで気が遠くなっていたものだが、何回も練習する事でなんとか一通り答えられるようになる。
実地試験はこれまでに習得した技術を試験基準以内の誤差でやらないといけないので、自分の不得意な部分を集中的に訓練する(私の場合は失速)。

今回の渡米ではたまたま日本人が私の他に2人来ていて試験の期日も近かったので、一緒に勉強したり情報交換をしたりして楽しく過ごすことができた。
ずっと英語を使っていると結構ストレスが溜まるので、束の間だが思い切り日本語でおしゃべりが出来
・・・ホッと一息つける。

Flying Lady 奮戦記  - チェックライド Part-1

<チェックライド当日>

チェックライドは午前7時半から始まった。その日はカウアイ島を寒冷前線が通過しオアフ島に接近しつつあるという気象状態であった。フライトプランはホノルルからカウアイにいくものを作成するように事前に試験官から指定されていた。試験では実際にカウアイまで飛んでいくことはしないが、もしすることになっていたとしても、私だったら今日は飛ばない。というぐらい活発な雨雲がレーダーから見てとれた。

試験官はジョージアという日系のおじいさんでスクールでもよく見かける優しそうな人である。
「今日は天気が悪くなりそうだから早くフライトに出たいね。君が全ての問題にスラスラ答えてくれたら口答試問は早く終わるからね」と笑って言われた。
私は「問題の数を減らしてくれれば早く終わるのにな」と心の中で思ったけど…。質問は各分野からまんべんなく出される。基本的な事を押さえていれば、いくつか分からないことがあっても大丈夫。試験官というより教官のように教えてくれる。まず天気の概況を説明するように言われ、続いて「君だったら今日カウアイ島に行くかい?」と聞かれた。私は「行きません。レーダーに強い雨雲が映っているのを見てきましたし、雲も低いので有視界飛行は出来ないと思います」と答えた。ジョージアは「そうだね。鳥は飛ぶために生まれてきたのに、天気の悪い日や夜には飛ばない。まして飛ぶように出来ていない人間がどうしてそんな日に飛ぶ必要があるだろうか。周りがなんと言おうと、君が飛ぶか飛ばないかは最終的に君だけしか決められない。いつでも『今日は飛ばない』と言える勇気を持つように」と言った。

1046758219[1]プリフライトチェックをする間に雨も降りだしたが、なんとか雲の切れ間も見えてきていよいよ出発することになった。しかしATISを取ってみるとなんと・・・今日はホノルルでは珍しいコナウィンド(南西風)が吹いている。通常ホノルルはほとんど北東貿易風が吹いているのでランウェイはいつも04を使用している。
実は私は反対側の22を使ったことは一度もなかった。
「なんてツイてないんだろ、ランウェイ22だよぉ~、カラエロアの着陸だっていつもと逆回りになっちゃうし、地上目標を基準に行う操縦も風向きが違うと始める位置がいつもと違う」不安が募る中、練習空域に行きあれこれ指示される。

一番の懸念、失速は思いの外うまくいった。だが、S-turnをやる時あれほど今日は風向がいつもと逆だから、と気を付けていたのに、なぜかいつもと同じ方向から始めてしまう。風下に向かわなければならなかったのに、風上に向けて始めたので機体が流されS字にならない。
「アレッ?すいませんもう一度やります」そう言ってもう一度トライ。うまくいかず頭が真っ白になっているため風向きの事など全く気付かなかった。
再度のトライも結果は一緒。ついに試験官が「風上に向かっていくならもう少しターンを待たないとだめでしょ」と教えてくれた。「そうだった…」そして3回目のトライでやっと出来た…。

Flying Lady 奮戦記  - チェックライド やったよ~!

1046758508[1]次にカラエロアで離着陸をやった。前日練習したとき、着陸時のスピードが早すぎ
また進入高度も高すぎたので気を付けるようにインストラクターに言われていた。
それがあったので(言い訳だが)今回は低目、遅目になりすぎて、まだ滑走路までだいぶあるのに失速警報がピーピー鳴り出す始末。
スピードがないので着陸は初心者かと思うような落着。ジョージアもこれはお気に召さなかったようで、「着陸はもう少し練習が要るね」と言った。
Short field take offやSoft field landingなど一通りこなして「じゃ、ホノルルに帰ろうか」と言われた時には「やっぱり着陸がダメだったかなぁ…」とドキドキしたが、駐機場でエンジンを止めた後・・・
「おめでとう・・・今日からプライベートパイロットです」と言って握手を求められた。
・・・ホッとしたような、何とも言えない達成感は一生忘れないと思う。

ジョージアが先にスクールに戻って、私一人で飛行機を片付けている間、うれしさがこみ上げてきて一人ガッツポーズをしながら「やった~ ・・・やったよぉ~~・・・うれしいよぉ~~~!」と何度もつぶやいた。
スクールに帰るとみんなの「おめでとう」という笑顔が待っていた。
インストラクターも自分がたどってきた道だからこれがどんなにうれしいかを知っている。その場でジョージアがテンポラリーの免許を発行してくれた。飛びたければそれをもらってすぐ飛ぶことも出来る。

私はスクール伝統の「合格ピザ」を注文して、その間に日本の家族や友達、ハワイの友達に電話を掛けまくった。みんな自分の事のように喜んでくれた。
合格ピザはチェックライドに合格した人がみんなに振る舞う伝統になっているようで、合格した幸運をみんなにお裾分けするという意味があるらしい。私も今まで何人かの合格ピザをご馳走になったことがあるので、その幸運のおかげで今回の自分の合格があったのかもしれない。
思えば昨年の3月に始めてから約10ヶ月。行ったり来たりの効率の悪い訓練で、結局100時間飛んだ。
でも「大事なのは時間ではなく自分が自信を持って飛べるかどうかということだよ」とインストラクターに励まされた。残念ながら最初のインストラクター、スターバックスは退職して私のチェックライドを見てもらえなかったが、もしいたとしたら当初のへなちょこパイロットの合格をどんな顔で迎えてくれただろう。
次は計器飛行証明をとって全天候型パイロットを目指したい。ハワイを離れる前に教材を買い込んで飛行機に乗り込んだ。

楽しい奮戦記に感謝

Flying Lady さんに心から感謝いたします
今回は忙しい時間を割いて、奮戦記を投稿して頂きました。
大変に楽しい訓練記・・・本当に楽しく、また自分の訓練時代を思い出しながら拝見しました。

投稿を読まれた方から・・・そうそう・・・ウムウム・・・そうだよね・・・
などのメールを寄せて頂きました。
これから訓練に挑戦する予定の方にも参考になる内容だと思います。

空子さんは、次のステップに挑戦するべく準備中のようです・・・また楽しい投稿をお待ちしています。
訓練頑張ってくださいね・・・
Good Luck

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